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お葬式の香典返しとは?相場や渡すタイミング、マナーなどを解説

「お葬式でいただいた香典のお返しは、いつ贈れば良いの?」
「香典返しをする時のマナーを知りたい!」
「香典返しはいくら位で用意すれば良いの?」
お葬式で香典をいただいた後に香典返しが必要となり、上記のような疑問を抱く方も多いのではないでしょうか。

 

本記事では、香典返しについてや贈るタイミング、用意する品物の金額の相場などを紹介します。この記事を読むことで、香典返しの基本的な情報を理解し、いつ、どのような品物を準備すれば良いかが分かるでしょう。

 

また、香典返しにおすすめの品物と、避けた方が良い品物についても紹介しています。これらを把握しておけば、香典返しをする際は相手に失礼なく贈ることが可能です。

 

お葬式の香典返しに疑問のある方、困りごとのある方は、ぜひこちらの記事をチェックしてみてください。

 

お葬式の香典返しとは

「香典返し」は、通夜や葬儀、告別式などで、参列者から故人にお供えしていただいた「香典」に対してお返しすることや、お礼の品物を指す言葉です。関西では、香典返しは「満中陰志(まんちゅういんし)」と呼ばれます。

 

香典返しの目的は、故人に対する手厚い心遣いに対する、感謝の気持ちを伝えることです。また、香典返しには四十九日(七七日忌)が無事に終わったことを報告する、という意味もあります。

お葬式の香典返しのタイミングは?

お葬式等で香典をいただいている方には、適切な時期にお返しをする必要があります。

 

ここでは、香典返しを贈るタイミングについて紹介します。香典返しを贈ることのできるタイミングはいくつかあるため、自身の状況に合った時期を選んで贈ってみましょう。

忌明け後が一般的

香典返しには、無事に忌明けを迎えたことを報告する意味があるため、忌明け後に贈ることが一般的です。

 

ただし、各宗教によって、忌明けの時期が異なることに気をつけてください。

 

神道の場合は、故人の没後五十日が忌明けになります。仏教では、故人が亡くなって四十九日後が忌明けです。仏教の中でも浄土真宗については、亡くなってすぐに極楽浄土に行くという考えから、初七日から1か月以内に香典返しを贈ります。

 

またキリスト教の場合は、命日より1か月後の召天記念日礼拝や追悼ミサが忌明けのタイミングとなるため、覚えておきましょう。しかしこちらについては、教理に定められている訳ではありません。

四十九日前に香典返しをするケース

香典返しは忌明け後が一般的ですが、ちょうどその頃が年始の時期にあたるなどのやむを得ない事情がある場合は、四十九日前でも渡せます。年始の頃に香典返しをしない方が良いのは、一年の縁起が悪くなるという古くからの言い伝えがあるためです。

 

ただし、慣習を重要と考えている方には、四十九日前の香典返しはマナー違反と受け取られる可能性があります。そのため、事前に親族で話し合って香典返しのタイミングを決めておくのも有効な手段です。

お葬式の当日に香典返しをするケース

近年では四十九日法要に参加しない人も増えてきたため、お葬式当日に香典返しまで済ませてしまうケースが増えています。これを「即日返し」と呼びます。

 

即日返しではお葬式当日に香典返しを渡せるため、後日改めて香典返しを贈る必要がないことがメリットです。

 

ただし、事前に香典返しを準備しておく必要があることから、香典の金額に応じて返礼品を選ぶことはできません。そのため高額の香典をいただいた場合は、後日改めて別のお礼を渡すという対応になるでしょう。

お葬式の香典返しの金額相場

香典返しの相場は、いただいた香典の半分や3分の1が相場です。これを「半返し」「3分の1返し」と呼びます。

 

近年の香典返しは半返しが一般的ですが、関西圏には、3分の1返しを慣習としている地域もあります。香典返しが半返しで良いか迷った時は、地域の方や菩提寺などに確認してみてください。

 

即日返しをする場合の相場は、一般的な香典の相場を参考に、2,000円~3,000円で用意することが多いでしょう。

 

もし高額な香典をいただいた場合でも、無理に半返しをする必要はありません。そのような時には、3分の1返しや4分の1返しでも失礼にならないとされています。

香典返しに掛けるのし種類と書き方

香典返しには、白黒の結び切りの水引だけが描かれた掛け紙を内のしとて、外から見えないように掛けましょう。弔事用であるため、右上にのし(熨斗)がついているのし紙は使えません。

 

表書きは、「志」とすることが一般的ですが、神式やキリスト教式では「偲び草」と書きます。北陸地方や関西から西日本にかけては「満中陰志」、中国四国九州地方では「茶の子」と表書きする場合もあります。

 

そして水引より下には、施主の苗字を書きましょう。

香典返しにはお礼状を添える

香典返しをする際には、マナーとしてお礼状も一緒に贈りましょう。お礼状には、香典をいただいたことに関する感謝の気持ちを記します。もし、忌明け後に香典返しをする場合は、無事に忌明けを迎えたことについても記載しましょう。

 

ここでは、香典返しと一緒に贈るお礼状について解説します。

 

お礼状に何をどのように書けば良いのか困っている方は、以下を参考に記載してみてください。

お礼状の書き方

お礼状には、「香典をいただいたことへの感謝」「忌明けを迎えた報告」「故人とのつきあいに関する感謝」「香典返しの説明」「略儀でのお礼をするお詫び」を記しましょう。

 

お礼状では、季節の挨拶を書かず、句読点を使わないように注意してください。

 

これらに加えて、忌み言葉を使わないようにすることも大切です。忌み言葉には、死にまつわる言葉や重ね言葉、不幸が続くことを連想させるような「再び」「また」などの言葉があります。

お礼状の例文

お礼状の書き方が分からない方は、以下の例文を参考にしてみてください。

 


拝啓
亡父◯◯葬儀に際し ご多用中もかかわらずお気遣いと香典を賜ったこと 厚くお礼を申し上げます

 

お陰さまをもちまして ○月○日に四十九日法要を滞りなく営みました
生前の故人を 長く支えていただいたことに大変感謝しております

 

つきましては 供養のしるしとして心ばかりの品をお届けします
本来であれば 直接お伺いしてお礼申し上げるべきところ 略儀ながら書中にてご挨拶申し上げます


お葬式の香典返しに適した品物

香典返しをする際は、相手の負担とならない物や相手の好みに配慮した物を用意するのが一般的です。

 

ここから、香典返しとしてふさわしい品物を3つ紹介します。もし香典返し選びに迷った場合は、以下で紹介している品物の中から、贈る相手の相場に合わせて選んでみてください。

お茶やお菓子などの消え物

食べたり飲んだり、使うことでなくなる消え物は、「不幸がなくなり縁起が良い」という意味があるため、香典返しに適しています。

 

香典返しとして定番の消え物は、お菓子やコーヒー、紅茶、砂糖などの食品です。また石鹸や洗剤といった、使うとなくなる日用品も候補になるでしょう。

カタログギフト

香典をくださった方が、好きな品物を選べるカタログギフトも香典返しの定番です。

 

カタログギフトは価格別に多数の品物が用意されていることから、香典返しの相場に沿った金額の物を贈ることができます。

 

しかし、カタログギフトだけを贈るのは味気ないと考える方もいるでしょう。その場合は、カタログギフトとお菓子等の品物をセットにして贈ることがおすすめです。

白いタオルやシーツ

日本では古くから、故人に白装束を着せてあの世へ旅立たせるという風習があるため、白いタオルやシーツといった衣類も、香典返しにふさわしいとされています。

 

また、タオルには「悲しみを拭いさる」意味があり、使えばなくなる日用品の消え物でもあることから、香典返しに適しています。

 

白の衣類を香典返しに選ぶ時は、無地でシンプルな物に加えて、上質な素材の物や高級品が喜ばれるでしょう。

お葬式の香典返しで避けるべき品物

ここからは、香典返しとして贈るのは避けた方が良い品物を紹介します。

 

たとえ相手が好んでいる品物であっても、香典返しの際に贈ってしまうと失礼にあたる品物があります。贈る相手に不快感を与えないよう、香典返しの品物選びをする際には、以下の内容に気をつけましょう。

肉や魚などの生鮮食品

肉や魚は殺生を連想させることから、香典返しとして贈るには不適切とされています。

 

仏教では、故人が亡くなってから四十九日の間は精進料理を食べるという風習がありました。

 

殺生をイメージさせるものや4本足の動物や臭みがある魚は、相手が肉や魚を好んでいたとしても、香典返しの際に贈るのは避けましょう。

慶事を連想させる物

お酒や鰹節、昆布などを香典返しに選ぶことは避けましょう。お酒は神事で使われ、宴でも飲まれる物です。また鰹節や昆布は縁起物で、一般的に結婚式の引き出物として使われる、慶事のイメージで知られています。

 

香典返しは弔事であり、慶事を連想させるのはタブーとされているため、上記の3つはふさわしくないでしょう。その他、鶴や松、カメやウサギといった、縁起物がモチーフとなった物も選ばないようにしてください。

現金や金券

香典返しに、贈り物の金額がはっきりと分かる品物を贈ることは失礼という考え方が一般的です。そのため、現金や金券を贈るのは避けましょう。

 

特に、目上の方へ現金を贈ることはマナー違反とされています。また現金や金券以外に、商品券も金額が明確なため、香典返しには避けた方が無難です。

マナーを理解してお葬式の香典返しをお渡しよう

お葬式や告別式でいただいた香典には、お返しをする必要があります。香典返しは忌明けに贈ることが一般的ですが、親族や故人の友人などが集まるタイミングがあるか、香典返しが年始にならないかといったことを考えて、忌明け前に贈ることも可能です。

 

香典返しを贈る際は、マナーを守りつつ相場に合わせた品物を選び、お礼状を添えて贈りましょう。

 

香典返しの品物選びや、お礼状の書き方に困った際は、こちらの記事を参考にしてみてください。

 
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