「法事の案内状の書き方がわからない」
「法事の出欠確認のタイミングは?」
「案内状に必要な情報は?」
法事の案内状を作成する時、上記のような悩みや疑問が浮かぶのではないでしょうか。
本記事では、法事の案内状として必要な情報が記載されている、心のこもった案内状の作成方法を詳しく解説します。それらに付随して故人の回忌、日程、場所、会食の有無、出欠確認の方法など、押さえるべきポイントも分かります。
この記事を読むことで、参列者への配慮が行き届いた案内状を作成できるようになるでしょう。また、すぐに使える法事の案内状の例文も紹介しているため、文章作成に慣れていない方でも、スムーズに作成することができるでしょう。
法事の案内状の作成で悩んでいる方は、ぜひこの記事をご覧ください。
目次
法事の案内状に記載する内容
法事の案内状は、故人を偲ぶための大切な文書であり、参列者に必要な情報を伝える重要な役割があります。案内状には、法要の目的や日時、場所、出欠確認に関する情報を適切に盛り込むことが望ましいでしょう。
以下では、法事の案内状に記載することが推奨される内容をより詳しく解説します。
誰の何の法要なのか
法事には主に3種類あり、それぞれ意味と目的が異なるため、まずは以下の点をしっかり把握しておきましょう。
・忌日法要:初七日、四十九日、百箇日(亡くなってからの日数に基づく法要)
・年忌法要:一周忌、三回忌、七回忌(亡くなってからの年数に基づく法要)
・その他の法要:春秋の彼岸、お盆(新盆)といった特定の時期に行う法要
上記を理解した上で、案内状には、誰の法要なのかまで明確に記載することが重要です。
法事の日程と場所
法事の案内状には、執り行う日程と場所を明確に記載することが重要です。これにより、参列者がスムーズに参加できるようになります。
特に、初めて参加する方や遠方から来る方のために、住所と電話番号まで詳しく記載することが推奨されます。
法要後の会食の有無や案内
法要後の会食が実施されるのであれば、法事の案内状には日程と場所の他に、会食の詳細や会場名、住所を含めておきましょう。
これにより、参列者が法要後の流れに迷わず行動することができます。ただし、会食がなければその旨を明記する必要はありません。
出欠確認のための返信依頼や返信先
法事の案内状には、出欠確認のための「返信依頼」や「返信先」を明記することが大切です。参加者に出欠の返信を依頼し、法事の準備に間に合うよう「返信期限」を設定しましょう。
また返信先には、施主の名前や住所を明確に記載する必要があります。
差し出し人の名前と住所と連絡先
法要の案内状には、差出人の名前や住所、連絡先を明記しましょう。基本的に法要を執り行う施主の名前を記載し、住所や電話番号、メールアドレスなどを添えることで、参加者が連絡を取りやすくなります。
事情があって施主の名前を記載できない場合は、夫婦もしくは兄弟姉妹による連名での記載も可能です。
法事の案内状を書く時のポイント
法事の案内状では、時候の挨拶で書き始めたり、書式を縦に使ったりなど、通常とは少し異なる文章の書き方が求められます。
以下に、案内状作成時の主要なポイントを紹介します。これらの要素を適切に組み込むことで、丁寧かつ心のこもった案内状を作成することが可能でしょう。
頭語で始め、結語で終わる
法要の案内状は「頭語で始まり、結語で終わる」形式が基本です。場合によって、この順序は省略されることもありますが、記載する際は必ずセットで使うと認識しておきましょう。
頭語には「拝啓」や「謹啓」が一般的に使用され、結語には「敬具」や「謹白」を用います。特に「謹啓・謹白」の組み合わせは、より丁寧な印象を与えるため推奨されます。
時候の挨拶を入れる
時候の挨拶は法事の案内状において、季節や天候を表現する伝統的な挨拶文です。「候(こう)」は「時期」を意味し、季節の特徴や気候を表現しています。
時候の挨拶は、案内状に記載した頭語の直後に使用し、通常「○○の候」という形式で表現されます。例えば「寒風の候」「春風の候」などが代表的です。
先方を気遣う言葉を記載する
法要の案内状では頭語と時候の挨拶に続き、先方を気遣った言葉の記載が重要です。これは、受取人への配慮と敬意を表す役割を果たします。
具体的な例としては、「皆様におかれましてはご清祥のことと存じます」「いかがお過ごしでしょうか」のような表現があります。
個人との関係性を記載する
法事の参列者に対し、法要の対象となる故人を明確に伝えるため、法要の案内状に故人との関係性を記載することが大切です。
関係性を記載する際は通常、施主と故人の続柄を示します。例えば「亡父○○○○」「亡祖母○○○○」のように示し、このように記載することで、参列者は故人と施主の関係を理解できるでしょう。
縦書きで記載する
法要の案内状は縦書きで記載するのが一般的で、これは日本の伝統的な文化を基盤としていることが理由です。
古来より、日本では公私を問わず、手紙やはがきを縦書きで作成してきました。特に法事や法要などの儀礼的な場面では、この伝統的な慣習に従うことが重要視されます。
縦書きの際、手書きであれば毛筆や筆ペンを使用し、パソコンによる作成であれば書式を明朝体にして、見やすく書きましょう。
句読点は使わない
法要の案内状では、句読点を使用しないのが一般的です。
読みやすさを考慮する場合は、句読点の代わりに「1字分のスペースを空ける」方法を用いることで、文章の区切りを表現しましょう。
法事の案内状を送るタイミング
法事の案内状は「法事予定日の1~2か月前に届くように送る」のが望ましいとされています。これにより参列者が予定を調整し、準備する時間を十分に確保できるでしょう。
ただし、四十九日法要の場合は、逝去から約2か月以内に行われるため、上記のタイミングでは間に合わない可能性があります。そのため、葬儀終了後すぐに準備を始め、できるだけ早く案内状を送付することが求められます。
【例文】そのまま使える法事の案内状
ここからは、四十九日法要と一周忌法要の例文を紹介します。実際の書き方が分からない方は、こちらを参考にしてみましょう。
【四十九日法要の例文】
謹啓
初冬の候 皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか
〇〇の葬儀におきましては 皆様の温かいご厚情に深く感謝申し上げます
このたび 左記のとおり四十九日法要を営みたいと存じます 皆様のご参会をお願い申し上げます
謹白
【一周忌法要の例文】
拝啓
時下 皆さまにおかれましてはご清祥のことと存じます
さて 〇〇の逝去より間も無く一年が経過しようとしています
つきましては 左記のとおり一周忌法要を営みたく存じますので 皆さまのご参列をお願い申し上げます
尚 法要後の会食の席はご用意致しておりませんので誠に恐れ入りますが なにとぞご理解賜りますようお願い申し上げます
敬具
上記は必要に応じて修正し、使用してみてください。法要の種類や個別の事情に併せて調整することが大切です。
法事の案内状には必要な情報を適切に記載しよう
法事の案内状には、参加者が迷わず安心して出席できるよう、感情的な表現を避け、必要な情報を正確に伝えることが大切です。
さらに丁寧な言葉遣いを心がけ、思いやりのある表現を使い、参列者への気遣いを含めることで、受け取った方の気持ちにも寄り添うことが可能です。
本記事で解説した内容をもとに法事の案内状を準備し、故人が生前お世話になった感謝を失礼なく伝えられるよう心がけましょう。