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【例文つき】お歳暮のお礼状はどう書けばいいの?シーン別に解説!

「お歳暮をいただいたけど、お礼状のマナーがわからない」
「どのタイミングでお礼状を送ったらよいの?」
など、お歳暮を受け取った後に、どのように対応すればよいか分からず、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

 

本記事では、お歳暮のお礼状の内容や送るタイミングなどの基礎知識のほか、ビジネスシーンや個人宛てに送る場合など、ケース別に例文を紹介しています。

 

この記事を読むことで、お歳暮に対するお礼状の適切な書き方が理解できます。その知識をもとにすれば、お礼状を初めて書く場合でも、慌てることなく文章を作れるようになるでしょう。

 

お歳暮のお礼状をどう書けばよいか詳しく知りたいという方は、ぜひ本記事を参考にしてください。

 

お歳暮のお礼状の書き方

お歳暮のお礼状は、基本的に縦書きの封筒と手紙を使用します。

 

お礼状を書くにあたって、お歳暮をいただいた方に感謝の気持ちが伝われば、形式は何でもよいという訳ではありません。お礼状を送ることは丁寧な行為ですが、最低限のマナーを守らなければ、失礼にあたる可能性があることを念頭に置きましょう。

 

そのため、会社の取引先や上司、目上の方には、縦書きの封筒と手紙で送ることをおすすめします。丁寧な形式のため、相手から好印象をもたれるでしょう。

 

親しい友達や親戚、知り合いに対しては、横書きやはがきでも構いません。自分と相手との関係や親密度に応じて、臨機応変にお礼状の形式を変えてみてください。

お歳暮のお礼状の内容と流れ

お礼状の内容には、頭語・時候の挨拶・お礼の言葉・お相手の健康を気遣う言葉・結びの言葉という決まった5つの形式があります。苦手意識を持たず、ポイントを押さえてお礼状を書いてみましょう。

 

お礼状の形式を覚えれば、相手や季節、状況に応じて内容を変更し、役立てることができます。まずは、基本的なお礼状の形式に慣れましょう。

頭語

お礼状の一行目に書く頭語は、相手への敬意を表す言葉です。

 

頭語には、「拝啓、拝呈、謹啓」などがあり、それぞれ使う組み合わせが決まっています。勝手な解釈で、使う組み合わせを決めるのはやめましょう。マナー違反となり、相手に失礼な印象を与えてしまう可能性があります。

 

一般的な手紙の場合には「拝啓」、より畏まった場合は「謹啓」を使うようにしましょう。

 

書き手が女性の場合、「一筆申し上げます」という頭語もありますが、基本的には「拝啓」か「謹啓」を使う方がよいでしょう。

 

特に、夫の代わりに妻が代筆する場合、女性言葉を使うのは好ましくありません。このような場合は、「夫の代わりにお礼状を書いている」という意識を持つことが大切です。

時候の挨拶

頭語の後に書くのは、季節や時候に合わせた挨拶です。

 

手紙で使われる挨拶には、「寒冷の候」のような短い「漢語調」と、「寒く冷たい季節となりました」のような「口語調」があります。時候の挨拶の後には、相手を気遣うような言葉を続けてください。

 

一般的に、ビジネス文書や畏まった文書などに多く使われるのは漢語調です。漢語調の場合は、「寒冷の候、皆様にはますますご清祥のこととお喜び申し上げます」のように文章を組み立てましょう。

 

親しい間柄であれば、口語調を使っても構いません。「寒く冷たい季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか」のように書くとよいでしょう。

お礼の言葉

頭語と時候の挨拶の後に、お礼の言葉を書きます。お歳暮をいただいたことに対する感謝の気持ちを、具体的に表すことが大切です。手紙の中で、お歳暮の品物を受け取った喜びや、相手の心遣いに触れるようにしましょう。

 

なお、お礼状を送る相手との関係性で、文章の表現は変わります。

 

たとえば、ビジネス文書であれば、「この度はご丁寧なお歳暮の品をいただき、心より感謝申し上げます」などと書けるでしょう。

 

親しい間柄でのお礼状であれば、お礼とともに、自分や家族の状況を盛り込むのもおすすめです。

相手方の健康を気遣う言葉

お礼の後には、相手方の幸福と健康を願う気持ちを書きます。

 

お歳暮の時期は、年末年始に向けて慌ただしい時期です。日増しに寒くなるため、体調を崩しやすい季節ともいえます。

 

そのことを踏まえ、お歳暮のお礼状には、相手の健康を気遣う言葉を添えましょう。

 

「時節柄、くれぐれもご自愛くださいませ」や、「これからまだ寒くなりますが、くれぐれもお体には気をつけてお過ごしください」のような文章がおすすめです。

結びの言葉

文章の最後は、結びの言葉で締めくくりましょう。結びの言葉にも、頭語と同じように相手への敬意が込められています。

 

結びの言葉として、「敬具」を使った文例が多く見られますが、本来は、使用した頭語に合う組み合わせの結語を選ぶのがマナーです。お礼状を書く際は、頭語と結語の正しい組み合わせを調べておきましょう。

 

なお、女性は「かしこ」という結びの言葉を使うこともできますが、避けた方が無難です。慣れるまでは、一般的によく使われる言葉を使うことをおすすめします。

ビジネスシーンで送るお礼状の例文

お礼状の流れと内容が理解できたら、次は実践です。ここでは、職場の上司と取引先に対するお礼状の例文を紹介します。

 

個人宛の場合と同じように、ビジネスシーンでも、お歳暮のお礼状を送る相手によって適切な内容が異なります。お歳暮をやり取りする相手に適した、文の構成を把握しておきましょう。

上司に送るお礼状

普段お世話になっている上司には、丁寧な言葉や文面で感謝の気持ちを伝えましょう。自分の気持ちや、今後の目標を入れるのもおすすめです。

 

以下は、上司(課長)に送るお礼状の例文です。


拝啓
師走の候 〇〇課長には益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
この度は 結構なお歳暮をいただき誠に有難うございました。
こまやかなお心遣い 大変嬉しく存じます。
来る年もご期待に添えますよう全力を挙げて努力してまいります。
寒さも一層厳しくなる折柄 くれぐれもご自愛ください。
敬具


取引先の方に送るお礼状

今後も取引を続ける会社には、日頃の感謝の気持ちを丁寧に伝えましょう。


拝啓
師走の候 貴社におかれましては益々ご盛栄のこととお慶び申し上げます。
さて、この度はお歳暮を賜り 厚く御礼申し上げます 有難く拝受させていただきます。
〇〇株式会社の皆さまには日頃より何かとお力添えをいただき 非常に心強く思っております。
貴社の益々のご発展を心より祈念しております。
略儀ながら書中をもちまして御礼申し上げます。
敬具

 

令和〇年〇月〇日
〇〇株式会社
(役職) 〇〇〇〇

 

〇〇株式会社
(役職) 〇〇〇〇様


個人宛に送るお礼状の例文

普段親しく付き合いのある家族や親戚、友人に送る場合は、ビジネス文章ほど堅い文章にする必要はありません。その理由は、相手が距離を置かれたような気持ちになりかねないからです。

 

個人宛に送る場合は、お礼状の基本的なポイントを押さえた上で、柔らかい丁寧な文章にしましょう。親しい間柄であれば、型にとらわれない書き方でも問題ありません。

 

相手との関係性に合わせた内容でお礼状を書きましょう。

家族・親戚に送るお礼状

家族や親戚には、お歳暮のお礼のほかに、自分や家族の近況を伝えてもよいでしょう。


拝啓
ポインセチアの花が街を彩る頃となりましたが お元気ですか。
お歳暮のハムが届きました。
いつもながらのお心遣い 心より感謝いたします。
息子の〇〇は 今年度高校受験を控え塾に通う毎日です。
いただいたハムを家族で美味しくいただき ひとときの憩いの時間を過ごそうと思います。
寒さが厳しい日々が続きますので くれぐれもお体にはご留意ください。
まずはお品物が届きましたこと 書中ながらお礼申し上げます。
敬具


友人に送るお礼状

親しい友人に送る場合も、自分や家族の様子を伝えると喜ばれます。親しみを込めてお礼状を書きましょう。


拝啓
師走を迎え何かと慌ただしい時期となりましたが いかがお過ごしでしょうか。
この度は 私どもの大好きな〇〇のお菓子をいただき ありがとうございました。
早速家族そろって美味しくいただき 楽しいひとときを過ごしました。
時節柄 体調を崩しませんよう くれぐれもご自愛ください。
取り急ぎ、書面にてお礼申し上げます。
敬具


お礼状にふさわしい表現を使う

お歳暮は、一年を通してお世話になった気持ちを相手に伝えるために贈る品物です。そのため、お返しを贈る必要はないとされていますが、受け取ったままにするのは好ましくありません。

 

お歳暮に対する感謝の気持ちと、無事に品物を受け取ったことを伝えるためにも、きちんとお礼状を書きましょう。

 

お礼状を書く際のポイントは、相手に感謝の思いを伝えられるよう、丁寧な表現を使うことです。

 

また、「句読点を使う=縁の終わりを意味する」という考えがあるため、お礼状には句読点を使わないのがマナーです。

 

句読点の代わりに改行やスペースを上手く使い、相手が読みやすいように書くことを心掛けましょう。

お礼状はお歳暮をいただいてすぐに出す

お歳暮をいただいたら、できるだけ早めに、遅くても3日以内にはお礼状を送りましょう。

 

お礼状を送る場合の注意点は、感謝の気持ちをすぐに伝えられないことです。特に、土・日・祝日は郵便局による配達がないため、お歳暮を受け取ったら、できる限り早くお礼状の準備をする必要があります。

 

もし、何らかの事情でお礼状を出すのが遅くなってしまった場合には、お詫びの言葉を添えると丁寧です。面倒だからと、年賀状のついでにお詫びをするようなことはやめましょう。

親しい間柄であればメールで送ってもいい

お礼状は、手紙で送るのが基本的なマナーです。しかし、親しい間柄であれば、メールで感謝の気持ちを伝えても失礼にはなりません。

 

メールでお歳暮のお礼を伝える場合も、基本的なマナーは変わりません。手紙の場合と同じように、丁寧な書き方でお礼を伝えましょう。

 

なお、メールで送る場合は、件名を書くことを忘れないようにしてください。件名を入れておけば、数多くのメールに埋もれる心配はありません。

お歳暮をいただいた感謝を込めてお礼状を送ろう

お歳暮を受け取ったら、感謝の気持ちを込めてお礼状を書きましょう。場合によってはメールでも構いませんが、手書きのお礼状の方が相手に丁寧な印象を与えます。

 

堅苦しいイメージがあるお礼状も、ポイントを押さえればスムーズに書くことができます。まずは、例文を真似することから始めるのがおすすめです。

 

お歳暮をいただいたことに対する感謝の気持ちが伝わるよう、丁寧な表現でお礼状を書きましょう。