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【例文付き】親戚に送るお中元のお礼状の堅苦しくない書き方を解説

「お中元のお礼状を書くことは難しく感じるため、書き方を知りたい。」
「お礼は電話やメールだけだけでも問題はないの?」
「お中元のお返しに何か贈った方がいいの?」
お中元をいただいた際、お礼状を書こうとしたものの、どのように書けばいいのかわからず頭を抱えてしまったことはないでしょうか。

 

この記事では、お中元のお返しのマナーやお礼状の書き方について送る相手ごとの例文も含めてご紹介しています。
この記事を読めば、場面や相手に合わせたお礼状の書き方を知ることができ、お中元のお礼状を悩まず書くことができるようになるでしょう。

最後まで読んで、ぜひお礼状の書き方の理解を深め、お礼状を書く際の参考にしてください。

お中元をもらったらお礼状を返そう

お中元をいただいた際に、お礼状を出して感謝の気持ちを伝えることは、相手と良好な関係を築いていく上で大切なことです。

 

お中元を贈る側は、「どんなものが喜ばれるだろう」と贈る相手のことを思いながら、時間を割いて品物を選んでくれています。贈ったあとも「ちゃんと届いたかな」「気に入ってもらえたかな」と気を揉むことがあるでしょう。

そのような気遣いに対して誠実な対応として、お礼状を送ります。心のこもったお礼状が届くと、「ああ、贈ってよかった」という気持ちが沸き起こります。
お中元をいただいたら、お礼状などで感謝の気持ちを伝えることを忘れないようにしましょう。

お中元のお礼状とは?

お礼状を送るという行為には、相手に感謝の気持ちを伝えるだけではなく、受け取ったことを報告するという目的があります。

 

親戚など身内や親しい友人であれば、お礼を伝えるのはメールや電話でお礼を伝える方が堅苦しくならないでしょう。

目上の方やビジネスでお付き合いのある方に対しては、直筆のお礼状を送ることが好ましいとされています。すぐにお礼を伝えたい場合は、電話やメールで一報を入れたあと、お礼状を送りましょう。

 

電話やメールの場合は、お中元を受け取った当日にお礼を伝えることが望ましいです。お礼状を送る場合も早ければ早いほどいいとされています。遅くとも受け取ってから3日以内に、お礼状を送るようにしましょう。

お返しの贈り物は必要か?

お中元は、日ごろからお世話になっている方への感謝を込めて贈るものです。お礼状で感謝の気持ちを伝えれば、お返しの贈り物を贈る必要はありません。

 

お中元を贈ってくださった方が目上の人だった場合や高価な品物が届いた場合、お礼状だけでなくお返しの品を贈りたいと考える方もいるでしょう。そのような場合は、基本的にお中元の時期にお中元としてお返しするといいとされています。

 

ここで注意しておきたいことは、次のように地方によってお中元の時期が異なるという点です。

・7月1日〜7月15日:東北・関東・石川県金沢市や新潟など北陸の一部
・7月15日〜8月15日:北海道・石川県能登町や富山県など北陸の一部・東海・関西・中国・四国
・8月1日〜8月15日:九州
・7月13日〜7月15日:沖縄

地方によって違いがあるため、お返しの品物を贈る時にはすでにお中元の時期を過ぎていたということもありえます。お中元の時期を逃した場合は、7月16日から8月7日までであれば、暑中見舞いとして、8月7日から8月末までであれば残暑見舞いとして贈りましょう。

お中元のお礼状の書き方を紹介

お中元に限らず、お礼状には決まった書式があります。その書式通りに書き進めることで、簡単にお礼状を仕上げることが可能です。一度覚えてしまえば、いろいろなお礼状に応用がきくでしょう。

ここからはお中元のお礼状の構成や書き方について解説していきます。

前文

お礼状の前文は挨拶文としての役割があり、頭語、時候の挨拶、安否・近況を尋ねるの3つの要素で成り立っています。

頭語は「こんにちは」のような冒頭の挨拶です。時候の挨拶で季節の話題を通してコミュニケーションを図り、近況を尋ねるという流れになっています。

それぞれの役割や例を一覧表にまとめました。

要素 役割
頭語 冒頭の挨拶に当たる部分。相手に対する敬意を表す。 目上の人(謹啓・謹呈・恭敬)、仕事関係の人(拝啓・拝呈・啓上)、親しい人(前略・冠省)
時候の挨拶 季節に合わせた挨拶。四季の移り変わりを共通の話題として、相手とコミュニケーションを図る。 7月全般(盛夏の候・猛暑の候)、7月上旬(向暑の候・長雨の候など)、7月中旬(小暑の候・梅雨明けの候)、7月下旬(酷暑の候・炎暑の候など)、8月上旬(残夏の候・暮夏の候など)、8月中旬(立秋の候・残炎の候など)、8月下旬(処暑の候・初秋の候など)、親しい間柄の場合は、「暑い日が続きますが」のように口語調の堅苦しくない挨拶文でも可。
安否・近況のお尋ね 相手の健康や安否を気遣う。相手への思いやりを表現する。時候の挨拶につなげて使う。 仕事関係の人(貴社におかれましてはますますご清栄のことと心よりお喜び申し上げます。など)親しい人(皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。など)

主文

主文にはお中元をいただいたお礼や感謝を書いていきます。

主文については決まった形はありません。お中元をいただいて嬉しかった気持ちを自分の言葉で伝えましょう。回った言い方よりも、飾らない気持ちをストレートに書く方が、相手にしっかりと思いが伝わります。

また、日ごろお世話になっていることへの感謝の気持ちを添えると、さらに好感のもてるお礼状になるでしょう。

末文

末文には相手を気遣う言葉を添えてから、結語を書きます。

相手を気遣う言葉を添えることで、お礼状全体の印象がさらによくなります。この部分はテンプレートになっている言い回しも多いため、あまり悩む必要はありません。

結語は頭語と対になっているため、組み合わせを間違えないように注意が必要です。最後まで気を抜かず丁寧に書くようにしましょう。

要素 役割
相手への気遣いの言葉 相手を気遣うことで全体の印象がよくなる。 仕事関係の人(末筆ではございますが、皆様のますますのご健勝と貴社のご繁栄を心よりお祈り申し上げます。など)親しい人(まだまだ暑い日が続くようです。皆様どうぞご自愛ください。など)
結語 終わりの挨拶に当たる部分。頭語と結語は対になっているため、組み合わせ間違いに注意。 目上の人(謹啓⇒謹言・謹呈⇒謹白・恭敬⇒敬白)、仕事関係の人(拝啓または拝呈⇒敬具・啓上⇒拝具)、親しい人(前略⇒草々・冠省⇒不一)※頭語⇒結語という順で記す。

後付け

後付けには、いつ誰が誰あてに書いたお礼状なのかがわかるように、日付、署名、宛名を書きます。特に宛名を間違えてしまうと、せっかくのお礼状が台無しになってしまいます。最後まで丁寧に書くことを心がけましょう。

 

末文の後に改行を入れ、行頭から1文字分の字下げをして日付を書きます。年号を含めて書くとより丁寧です。縦書きでは漢数字を、横書きでは算用数字を使用します。

日付の次は署名です。日付から改行し、結語の最後の文字の位置に署名の最後の文字を合わせます。署名は氏名を書くのが一般的です。仕事関係の人の場合は会社名も記載しておきましょう。

代筆の場合は氏名の後ろに小さく「代」または「代筆」と書き足します。妻が代筆した場合は氏名の後ろに小さく書き足すのは「内」と言う文字です。

 

最後に、署名から改行し行頭から少し大きめの文字で宛名を書きます。必ず氏名で書き、敬称をつけることを忘れないようにしましょう。仕事関係の人の場合は会社名と部署名も記載します。

親戚に堅苦しくないお礼状を送るためのアイデア

堅苦しくない方がいいという親戚には、普通の手紙を書いたり、チャットやメール、電話などのツールを活用したりして、お礼を伝えるという方法もあります。

 

ただし、堅苦しくないお礼状を送る相手は、親戚の中でも特に親しくお付き合いしている親戚に限るというのが大前提です。それほど密にお付き合いをしていない親戚に、しきたりから外れたお礼状を送ると、常識がないと思われる危険性があります。

ここからは堅苦しくない方法で、お礼を伝える際に、注意すべき点なども合わせて解説していきます。

形式ばったお礼状でなく普通の手紙として書く

普段からお付き合いのある親しい親戚へのお礼であれば、形式ばったお礼状よりも堅苦しくない普通の手紙で感謝の気持ちを伝えるのもいいでしょう。

ただし、普段あまりお付き合いのない親戚に、お礼状の代わりに普通の手紙を送ると常識がないと思われる可能性があります。そのような場合は、一般的なお礼状を送る方が無難です。

メールやチャットでお礼状を送る

普段からメールやチャットで連絡を取り合っているような特に親しい親戚なら、普段通りメールやチャットでお礼を伝えてもいいでしょう。

 

手紙よりも手軽で、届いてすぐにお礼を伝えられます。また、相手が忙しい人であれば、電話よりもメールやチャットの方が、相手の負担になりません。

ただし、しきたりを重んじる親戚には、メールやチャットでお礼をいったあとに、改めてお礼状を送っておきましょう。

お礼状は形式通りに送り、会って直接か電話で気持ちを伝える

お礼状はある程度テンプレート化しているため、感謝の気持ちがしっかりと伝わらない可能性があります。そのような時は、お礼状を送り、さらに直接会って感謝の気持ちを伝えるといいでしょう。

相手が遠方に住んでいるなどで直接会うことが難しい場合は、電話でお礼を伝えてみましょう。

代筆してもらわずに自分で書く

自らの直筆で丁寧に書いたお礼状は、それだけで十分誠意が伝わりやすいでしょう。

お礼状を作成する場合は、他の人に代筆などを頼まず、直筆で丁寧に書いて、相手の気遣いに応えましょう。相手のことを思いながら書いた手書きのお礼状を不快に思う人は少ないでしょう。

【例文】相手別のお礼状の挨拶集

ここからは送る相手に合わせた、お礼状の挨拶の例文を紹介していきます。

 

構成要素を組み合わせて簡単にお礼状の挨拶文は作れます。しかし、実際の文面を見て、挨拶文のイメージをつかむことができれば、より柔軟に挨拶文を作れるでしょう。

ぜひ、お礼状を書く際の参考にしてください。

目上の方向けの例文

目上の方には次のような挨拶がいいでしょう。

謹啓

 

盛夏の候、〇〇様におかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
平素は公私に渡りお心にかけていただき、深く感謝いたします。

 

この度はご丁寧なお心遣いいただき、ありがとうございます。
家族一同喜んでおります。改めて御礼申し上げます。
末筆ではございますが、暑さ厳しき折から、どうかお身体の具合を崩されぬようご自愛ください。
まずは書中をもちまして御礼申し上げます。
謹言

 

令和◯年◯月◯日
差出人名
◯◯様

取引先の方向けの例文

取引先の方には次のような挨拶を送りましょう。

拝呈

 

向暑の候、貴社におかれましてはますますご清栄のことと心よりお喜び申し上げます。
平素より、格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、このたびはお心のこもったお中元の御品を賜り、誠にありがとうございました。
さっそく部署一同で美味しくいただきました。
末筆ではございますが、貴社のさらなるご繁栄をお祈りするとともに、今後とも変わらぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。
まずは略儀ながら書中にてお礼申し上げます。

 

敬具
令和〇年〇月〇日

 

〇〇株式会社
代表取締役 差出人氏名

 

株式会社××
(役職)××様

親しい相手向けの例文

親しい相手には次のような挨拶文がいいでしょう。

拝啓
厳しい暑さが続いていますが、皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。
さて、本日は結構なお中元の品をお送りくださいまして、誠にありがとうございます。
家族一同でおいしく賞味させていただきました。
酷暑の続く折柄、何卒ご自愛ください。
略儀ながら書面にてお礼申し上げます。
敬具

 

令和〇年〇月〇日
差出人氏名
〇〇様

親戚へのお礼状は堅苦しくないよりも気持ちが伝わることが大事

電話やメール、チャットなどでお礼を伝える人が多くなった昨今、手書きのお礼状だと堅苦しく感じる人もいるでしょう。

一方で、しきたりを重んじる人にとっては、形式感を崩した堅苦しくない方法でお礼を伝えるというのは常識のない、失礼な行為に感じられるでしょう。

 

どちらにしても、一番重要なことは、感謝の気持ちがしっかりと伝わるということです。そのためには、感謝を伝える相手がどういう方法を望んでいるかを知り、相手に合わせた方法でお礼を伝えることも大切になってきます。

 

「相手の気持ちを重んじる」ことが、相手に気持ちを伝えるために一番大切なことだと言えるでしょう。